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COP28の確認

今年も残すところ、一桁日数となりましたが、みなさま、今年1年はどんな年でしたでしょうか?
私は「片付け」の1年だったかなと感じています^^”
片付けるということは、次に進むという事です(だと思っています)ので、来年は新たな自分に出会う年にしたいと思っています。

さて、今年最後のブログとなる今回は、予告通りのCOP28の結果について確認をしてみたいと思います。
いつものことですが、私の観点になりますことをご容赦ください!

確認したいのは、気になっていた項目1点と関心の高かった項目2点の計3点になります。

★ 気になっていた項目
まず、気になっていた項目としては、ロス&ダメージ基金の詳細についての決定がなされるかという事でした。
*ロス&ダメージ基金とは、気候変動の悪影響に特に脆弱な国々を支援するために新しく設立される基金のこと

結果、制度の大枠についての決定が採択されています。
支援対象国は?出し手は?といったところで結論が出ないかも⁉と思っていたのですが、出し手に関しては、任意だったにもかかわらず議長国のUAEが拠出表明したのを皮切りに、ドイツ、英国、米国、EUが同基金への拠出を発表したとのことです。
ちなみに日本も拠出を表明していますね。

これに対して、COP28の議長である、UAE産業・先端技術相であり、アブダビ国営石油会社のCEOでもあるシャーベル氏は、「シャルム・エル・シェイク(前回のCOP27)で基金設立が合意されてから1年で運用開始にこぎつけたことは前例のないものだ」と述べられていましたので、スピード感に関しては異例だったのでしょう。

★ 関心の高かった項目
次に、関心が高かった項目については下記の2点をあげていました。
1.初のグローバルストックテイク(パリ協定全体的な進捗評価)の実施と2035年目標
 パリ協定は、各国が提出した温室効果ガスの削減目標を、定期的に実際の排出量を報告。そして5年に一度は、世界全体で進捗評価を行い、次の目標の強化につなげる というPDCAの仕組みになっています。
 今回はその第1回目の全体的な評価を実施し、原状を踏まえてどのような対応を行っていかなければいけないのかということが明らかになりました。

 まず、現在の状況ですが、各国がこのままの目標で行く場合、今世紀中には3℃近く上昇する恐れがあると報告されました。
これに対して、今世紀中の気温上昇を1.5℃に抑えるためには、温室効果ガスの排出量を2019年比で

 2030年に43%削減
 2035年に60%削減
 2050年に実質ゼロ

にする必要がある(合意文書にも削減目標は明記されました)。

そのための対策として、

 ・世界の再エネの設備容量を30年に3倍にし、エネルギー効率も2倍に改善する
 ・エネルギーシステムの化石燃料からの脱却をこの10年間に加速する

という内容が合意文書に盛り込まれました。

2.化石燃料の段階的削減?廃止?について
 段階的「削減」なのか、「廃止」なのか?
この議論はまだまだ続いていくと思いますが、今回は段階的な廃止という表現には至りませんでした。

「公正で秩序だって衡平な方法で、エネルギー・システムにおいて化石燃料を転換していく、この重要な10年にその行動を加速させる」

このまどろっこしい表現からも、交渉が難航したことが想像できますよね。
また、最終的に石炭火力発電についての削減時期など、踏み込んだ言及は行われなかったようで、次回のCOP29以降においても議論が継続されることになります。

結論として、現在の延長線上ではダメ!であり、エネルギーシステムにおいて、化石燃料から再生可能エネルギーの設備容量と効率を上げていきましょうということになったと認識しました。すごくザックリですみません^^”

さて、この結果を受けて、日本での今後の対応はどうなると思われますか?

今後、2035年の削減目標を2025年までには提出する必要があります。
2019年比60%削減が必要なので、来年見直されるエネルギー基本計画にも大きく影響してくることは間違いないですよね。

現在、削減目標を設定して取組んでいる企業も増えてきていますが、国の計画によっては、さらに目標の上乗せが必要になるかもしれませんし、まだ具体的な取組をしていない中小企業も対応が必要になってくるでしょう。

炭素税の動向も気になるところですよね。

また、家庭部門での削減目標である66%(2013年比)に対しても、本格的に取組んでいく必要があると思っています。

ずっと言われていることですが、待ったなしの状況なのは変わりありませんので、自分のできることを進めていきたいですね。

ただ、自分の世代では影響がさほどない人にとって、ピンとこないという方も多いのも事実だと思います。
何をしたらいいのかわからない、効果が見えないといったことも影響すると思います。

決してネガティブな取組ではないということも含め、家庭部門での削減については、またの機会に取り上げたいと思っています!

では、これにて、COPについては今回で「完」になります^^

少し早いですが、今年1年お世話になり、ありがとうございました。来年も変わらぬご愛顧をお願い申し上げます。

皆さま良いお年をお迎えください。

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