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食品ロス発生量のデータ更新

食品ロスとは、本来食べられるのに捨てられてしまう食品のことと定義されています。
日本では、毎年農林水産省から推計値データが発表されていて、食品ロスの総量と、事業系と家庭系に区分されたデータが公表されています。

その発生要因として、事業系は「規格外品、返品、売れ残り、食べ残しなど」で、家庭系は「食べ残し、手つかずの食品(直接廃棄)、皮の剥きすぎなど(過剰除去)」があげられています。

今年も6月9日に農林水産省から令和3年(2021年)の食品ロスの推計値データが公表されていますので、確認をしてみました。

私が毎年見るのは、その年の食品ロス総量、区分ごとの食品ロス量、前年対比とこれまでの推移などになります。
そして、目標値に対しての進捗度はどうなのか?といった数字を確認したうえで、大きな変動があった場合は、その時の社会情勢はどうだったのか?ということをなるべく確認するようにしています。

参考までに、公表データを詳しく知りたい!という方は農林水産省のWebサイトをご覧になってみてください^^
https://www.maff.go.jp/j/press/shokuhin/recycle/230609.html

では、まずは今回の、令和3年(2021年)の食品ロス発生量の推計値を見てみたいと思います!

食品ロス発生量の推計値:523万トン(前年度比1万トン増)
 事業系の発生量:279万トン
 家庭系の発生量:244万トン

前年と対比してみると、下表のとおりとなります。

農林水産省のデータをもとにATARAで作成

前年と比較すると、事業系で4万トン増、家庭系で3万トン減、トータル1万トン増加しています。
次に、ここ10年間の食品ロス発生量の推移を見てみると、平成27年(2016年)以降、令和2年(2020年)まで毎年減少していたのが、一息ついてしまった?という印象です。もちろん、この1年だけのデータでは何とも言えませんが^^”

サラッと言うとそうなるのですが、家庭系で3万トンも減少しているのはすごい数字⁉だと思いませんか?^^

*農林水産省のデータをもとにATARAで作成

でもそれ以上にすごかったのが、平成30年度から令和元年度、そしてそこから令和2年度で相当量減少していることです。
令和2年度にあっては、事業系で34万トン⁉、家庭系でも14万トンも減少しています。

こんなに下がると何が要因だったのかとても気になりますよね。
ということで、私なりに少しだけ確認をし、考察をしてみました。
*毎回ですが、浅くてすみませんm(__)m

まずは世界的な大きな流れを見てみると、平成27年(2016年)といえば、9月に国連でSDGsが採択された年ですから、その後の食品ロス削減に対する意識は高まってきているという見方ができるかと思います。

これを受けて国内では、令和元年(2019年)に食品ロス削減推進法が施行されていて、令和2年(2020年)3月には、「食品ロスの削減に関する基本的な方針」が閣議決定されています。これら国の対応(国民運動として進んでます⁉)も無関係ではないはずですが、令和2年に関しては、コロナウイルスが一気に蔓延した年でもありました。この影響も大きいと思っています。

特に事業系に関しては、食品産業別に集計されていますし、調査資料が公開されていたため、調べることができました。

農林水産省のデータをもとにATARAで作成

まず令和元年度の大幅な減少は、外食産業によるものだという事がこの数字を見るとよくわかります。
さらに、令和2年度においても、外食産業でのさらなる減少が大きいことがわかります。

外食産業に関連する取組みによる結果であるのだと思うのですが、令和2年に関してはコロナウイルスの影響がどれくらいあったのかが気になります。


下のグラフは、新型コロナウイルス感染症の食品ロス発生量への影響を調査した結果です。
ご興味ある方は、元データをご覧ください。 https://www.maff.go.jp/j/shokusan/recycle/syoku_loss/attach/pdf/161227_8-89.pdf

農林水産省のデータをもとにATARAで作成

回答数に産業別で差異が大きかったため、縦軸をパーセンテージにして、グラフ内は回答数を表記しています。ややこしくてすみません^^”

回答数でみるとわかるのですが、これまでと変わらないと回答している(水色)食産業の中で、圧倒的に減少したという回答(黄色)が多かったのが外食産業です。
ニュースなどでも感じていたのですが、削減というよりは、休業や営業時間の短縮、客数の減少といった事業が大きかったようです。
それは、令和3年の結果を見ても、引き続き同じ状況なのだろうと推察できます。

という事は、数字が集計されるのは数年先になりますが、令和4年度以降、営業日・時間が伸び、客数が増えることで、食品ロスの発生量が増えてもおかしくはありません。

「食べ残し」を増やさないという内容は、事業者と消費者双方で取組める内容でもありますし、個人的には特に意識をしたいと思っています。特にお酒が入るとね^^”

最後に、食品ロスの削減目標値を確認しておきたいと思います。

農林水産省などのデータをもとにATARAで作成

2000年を基準に、2030年の食品ロス発生量を半減すること。
SDGsの目標でもある半減を謳っています。
*基準年がものすごいロス量だったのですね^^”

こうして見てみると、あと少しのところまで来ています。
ぜひ前倒しでクリアできました!って結果になって欲しいですよね。
そして、それで終わりではなく、更なる目標設定をして、もったいない状態の資源がどんどん減って行けばいいなと思っています。

食品ロス量でいうと、食品製造業が圧倒的に多いことから、目標達成という観点からは、製造業の取組みが鍵になると考えています。

ちなみに、ATARAでは「おから」を何とかしたいと頑張ってきたのですが、かなり非力でした。
方法を変えて取組を進めていきたいと考えていますので、またそれらの取組みはこちらでご報告をしたり、SNSなどでご紹介をしていきたいと考えています。

家庭系の要因にあまり触れていなくて、スッキリしない終わり方ですみませんm(__)m

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