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ATARA_P選書_其の四

先月くらいから、読書ジャンルが小説モードに入っているため、なかなかこちらで紹介する本がありませんでした^^” 

ここ最近は、デザイン関係の本をまとめて読んでいます。
この関係の本でご紹介したい本がありますので、それは次回に^^

今回は、以前「民藝から学ぶ」という中でご紹介していた、歴史を学ぶために数冊読んだ民藝関係の本の中から、私が最もわかりやすかった1冊をご紹介したいと思います。

ちなみに、読書ジャンルが小説であろうが、実務書であろうが、安定して読む?見る?のはマンガです。これは譲れません^^

さて、今回ご紹介するのは、高木崇雄さんの「わかりやすい民藝」です。
発行はD&DEPARTMENT PROJECT
2020年7月15日に初版が発行されています。

D&DEPARTMENTといえば、ロングライフデザインを追求されていらっしゃって、私の中でもすごく関心の高い活動です。この本の中でも、ロングライフデザインと民藝の共通点について取り上げられています。

本の内容は、トークイベントをベースに再構成、加筆したものだそうです。
3章立てで、1章は民藝が誕生した歴史的背景などのこれまでの民藝。
そして、2章対談形式で、同時代の民藝を。
3章はこれからの民藝という構成になっています。

高木崇雄さんは、福岡で工藝風向という工藝店をされていらっしゃって、読み始めてその造詣の深さが伝わってきます。それもそのはず、工芸史の博士課程も修了されていらっしゃいました^^

民藝が誕生した時代的背景として書かれている内容がとても興味深いので、少し紹介します。
民藝になぜ「民」という文字が使われているのか?という説明で、「その時代の都市部でのスラム化、貧困、貧富の格差が是正されない状況が問題視されていたことに対して、田園風景として農村や地方を再評価し、海外の目に頼ることなく地域それぞれの土着的な文化を自らの力で評価し直そう。日本のあるべき姿を自分たちの手で実現しようという動きが起こり始めた時期だった。この状況、今と意外と変わらない」

まさに!と思いましたね。

そういう意味では、こういったカウンターカルチャーが生まれてくる時代背景はあるという事ですよね。そして、格差に関しては今の方が大きいので、この格差を作り出したことに対する対抗文化があると思っています。

それが若い世代が「無駄な物は買わない」といったことにもつながってきているのではないかと感じました。
「もったいない」とか「余すことなく使う」とか、日本が大切にしてきた美意識、価値観も同様で、
今またよく見聞きするようになっているのは、そういう事だと思います。
ATARAの取組むきっかけも、資源がうまく循環しないことへの対抗なのですよね^^

話しを民藝に戻して、もう1点私に刺さった内容なのですが、民藝も決して昔からあるモノがそのまま評価されていたわけでなく、その時代にふさわしいものとして再構成されていたということ。
これは工藝だけの話しではないと思うのですが、地域文化としての工芸も、アップデートしないと残っていけないという事だと思いました。

本の最後は、さらに民藝を学ぶならということでのお勧め図書があり、なかなかの読み応えと理解度が深まるとともに、気付きを得られる1冊でした!
読みながら色々と考えてしまい、なかなか前に進まなかったです・笑

歴史を知ろうとすると、固い内容が多いのですが、民藝についての入門編としてわかりやすいですし、入りやすい内容だと思いますので、おすすめの1冊です!

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