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製品廃棄から見る価値観の変化

現在、賞味期限が切れかけた商品を専門に取り扱う、食品ロス削減サービスが注目されています。
主にインターネットでの販売が主体のこのサービスは、今後も増えていくと思います。
こういったサービスは今では良いイメージですよね。

本来は廃棄製品となっていたこれらのもの、特に食品について、ここ数年で大きく変化したと感じています。

あらためて、賞味期限切れに近い商品の多さに気づかされますし、それだけたくさん製造して、たくさん廃棄されてきたという事です。
そして、私が感じ取った変化とは、仕事柄独特なものだと思いますので、今回少しご紹介したいと思います。

廃棄物として取り扱われてきた「廃棄製品」たち。
これは食品やアパレル関係の売れ残りだったり、アウトレット品と呼ばれる規格外の商品だったりが該当します。

今回は特に食品を例にあげますが、このような廃棄食品にまつわる有名な事件があります。
2016年に起きた某飲食店の廃棄カツ横流し事件です。

廃棄したはずの冷凍ビーフカツが、実は安価で転売され、スーパーで販売されていたという事件です。
覚えている方もいらっしゃいますでしょうか?
事件解明を自社で徹底して行ったことで、むしろ被害にあった企業は後に評価を上げていましたよね。

被害にあった企業と書きましたが、実は廃棄物の法律では、排出事業者責任という大原則があり、例えば不法投棄されてしまったら、その責任も輩出した企業が負います。おかしな企業に委託した側に責任があるという事です。

本来であれば、契約を締結して、お金を払って廃棄物の処分を委託しているので、引き取られた時点で責任はなくなりそうなのですが、実は廃棄物の法律に関してはそうなりません。

そして、この事件を境にというわけでもないのですが、廃棄する側の企業は、わざわざ本当に廃棄されているのかを処分場まで行って、視察をするケースが増えました。特に大企業は毎回もしくは定期的に実施しているはずです。

という事で、製品を廃棄するときは転売されていないか?を自身で確認しなければならない、特殊な世界なのです。
その背景には、違法処理や不法投棄があって、安かろう悪かろうの業者に委託する企業にも責任があるという事なのですが。

ですので、企業からすると、廃棄物は処理費だけでなく、その他の管理費もかかる相当な「負のコスト」なのです。
皆さんもそうだと思うのですが、捨てるものに手間暇、お金はかけたくないと思います。それが廃棄物の本質だと思っています。
ただ、あえて、本質だったと言い直しておきます。

さて、ここでお話しを冒頭の食品ロス削減サービスに戻します。
企業にとっては負でしかなかった廃棄製品が、その直前で少しでも負が減少するとどうでしょう。
もちろん、本当に販売されているかの確認はしているとは思いますが、取組んで損はないはずです。

むしろ、これからは食品ロス削減に取り組まないとマイナスイメージになってしまいます。
相変わらず大量生産大量廃棄をしている企業と捉えられるでしょう。

そして購入する側も良い印象に変わってきています。

いまこういう価値観の変化の真っただ中にある状況で、これまではサービスになりにくかったことが成立する状況で、今回事例にあげた食品ロス削減だったり、廃棄品の削減につながるようなサービスが増えてくると思います。企業側からしても、負のコストでしかなかったものが、まだ販売できたり。

これまで負だったものがゼロもしくは利に代わる。
取組次第では、企業間で大きな差が出ると思っています。

全体でみると、再生可能エネルギーや省エネなどの新たな産業が主になりますが、これもグリーン経済の一つです。
これからはどんな技術やサービスが出てくるか、気にしてみていきたいと思います。

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