ニュースの見方
私は普段からニュースであったり、人から教えてもらった内容をそのまま鵜吞みにしないようにしています。
もちろん全ては網羅できないので、いつもここでお話しする内容については、私なりに事実を見る努力をしています。
例えば、統計データだったり、数字はよく確認する事項です。
ただ、数字は間違いない事実なのですが、その伝え方によって受け手の印象が大きく変わるという事に注意をしないといけないと感じています。
その例として、一つ取り上げてみます。
今日、ある大手飲料メーカーが、業務用飲料の容器に関して、瓶を全廃し、ペットボトルに変更するという記事を見ていました。コロナ禍の影響もあるのですが、ここでの論点は、CO2の発生量を減らすということも触れられていました。ガラス瓶からペットボトルに変更したほうがトータルのCO2発生量が減少するという判断だそうです。
ペットボトルなので、環境への影響という意味では、海洋プラスチック問題も外せません。
その項目はどうなのかと読み進めると、「日本ではペットボトルが9割超回収されている」との記載しかありませんでした。
通常だと読み流すのですが、最も関心の高い内容だったので、冒頭の考えに至ります。
まず、ペットボトルの回収率を確認しました。
ペットボトルリサイクル推進協議会https://www.petbottle-rec.gr.jp/の統計データで確認できます。
以下、日本のペットボトル販売量と回収量のデータです。
2019年度の指定PETボトル(飲料、特定調味料、酒類)の販売量は59万3千トン。
2019年度の指定PETボトルの回収が確認された量(キャップ・ラベル・異物を含まない)は、市町村系(推進協議 会調べ)が28万4千トン、事業系(推進協議会調べ)が26万7千トンで、回収量の合計は55万2千トン(回収率93.0%)。
*事業系:スーパーやコンビニなど事業者が自ら回収する量
*市町村系:市町村が消費者から分別回収する量
上記の回収率93%というところから、「9割超回収されている」という記事内容になっているのは間違いないと思います。
単純に計算すると、回収されなかった量は4万1千トン(7%)。
ペットボトルに換算すると、13億6,666万7千本回収されていない(1本30gで換算)という事になります。
海洋プラスチックの問題は、管理されずに捨てられている量をいかに減らすかという事だと考えています。
ということで、今のところ総量を減らすことが一番の対策だと考えているのですが、今回の記事からはその部分が見えませんでした。
*詳細は以前のブログ、【海洋プラスチック問題について考えてみたその1】をご参照ください。
という事で、この記事から私が受けた印象は、企業において温室効果ガス削減の取組みは進んできていると感じ取れたけれど、その一方で海洋プラスチック問題はそこまでではないなと。
その理由はまた別途考えてみたいと思います。
今回のように、自分で調べて、自分で考えてみるということを意識的に続けています。
ニュースの見方も変わってきますので、お勧めですよ。
と、私がこのような書き方をすると、数字は嘘ではないのですが、今度は海洋プラスチック問題寄りになります。
ということもあるので、自分で考えることが必要だと思っています^^”
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