BLOG

  1. HOME
  2. ブログ
  3. ATARA Producerのブログ
  4. NaturalSelection

NaturalSelection

今回はサンゴ礁のお話を少しだけ。

サンゴ礁の役割はご存じの方も多いと思いますが、生物多様性に大きく影響しているだけでなく、光合成によるCO2吸収の役割も担っています。

そんなサンゴ礁が温暖化の影響で白化が進んでいるというこは、皆さんもこれまでにニュースなどで見聞きされてきたと思います。

白化が進むサンゴ礁ですが、一方で、琉球大学の研究をご紹介します。

高水温にさらされた親サンゴが生んだ卵の体積は平均水温と比べると平均28.6%小さくなった一方、生んだ卵の数は平均24.1%増えた。また、高水温にさらされた親サンゴが生んだ卵から育った子サンゴ(幼生)の生存率は平均水温と比べると約20ポイント高くなっていることが分かった。

これはつまり、水温の上昇に順応(適応)している種が存在するということです。

「生存競争の結果、自然環境に順応する生物のみが生存して子孫を残し、順応できなかった生物は滅びる。」

チャールズ・ダーウィンの言葉が思い出されます。

また、それを裏付けるかどうかは明らかではないのですが、2023年3月に環境省から発表された「石西礁湖のサンゴ白化現象の2022年12月調査結果」から引用すると

白化状況の内訳は、健全49.8%、薄色24.5%、白化1.4%、死亡24.3%であった。2022(令和4)年9月時点では平均白化率が9割を超えていたが、その後、海水温が下がって「薄色」や「白化」の群体のうち回復した群体があったものと考えられる。一方、いくつかの地点では、9月時点で「白化」であった群体が死亡し、「死亡」の割合が高い値になるなどの影響も見られた。

被害が抑えられたのは、2022(令和4)年9月の台風11号(ヒンナムノー)及び12号(ムイファー)によって表層の温かい海水が深場の冷たい海水と掻き回されて海水温が低下したことが影響した可能性があることや、いくつかの地点では2016(平成28)年の大規模白化以降にサンゴの生育型(優占するサンゴの種類)が高水温に強い種に変化していることが影響した可能性がある。

石西礁湖のサンゴ白化現象の2022年12月調査結果(環境省)より

サンゴ自体の順応の可能性もあるようです。

このようにして生物は生き残っていくのだなということが理解でき、とても嬉しい情報だったのでご紹介してみました。

ただ、明らかに人間が他の生物に影響を与えていることは間違いないので、生物の順応は嬉しい出来事ではあっても、人間として、本質的な取り組みも忘れてはいけないと改めて感じました^^”

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。

CAPTCHA


関連記事

アーカイブ