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続・ウルシのお話し

前回、国内の漆事情について私なりに調べた概要をお話ししました。
現在、国産漆は需要に対し生産が追い付いていないという状況です。

そこで、現在は供給量を増やすための取組みが進められていると認識しています。

それは、原木の確保(場所+植樹)、職人の確保(漆掻き)が進められています。
特に岩手県二戸市は力を入れて取り組まれていますが、もともとの国内産地であった場所でも、植樹の取組みが進められたりしているというニュースも検索すると確認することができます。 

*ちなみに国内出荷量は岩手県が1位で全国シェア74.3%です(令和2年)

ここで少し、前回触れなかった内容について補足しておきたいと思います。

収穫までの期間
供給量を増やそうという事で取組みが進んでいる植樹ですが、漆を採取するまでには時間がかかります。
樹齢15年くらいが一般的なようなので、植えてから採取できるまでにそれだけの年月がかかります。

そして、鹿に苗を食べられる被害もあるとのことで、植樹した全てが育つわけでもないようです。
もちろん、植えっぱなしではなく、人の手はかかっています。
そうして樹齢15年に到達し、ようやく漆が採取できるようになるそうです。

採取方法
漆の採取方法には、シーズンの漆採取の期間を短くし、毎年採取する「養生掻き」と、
シーズンで漆を採取しきってしまい、採取後に木を伐採してしまう「殺し掻き」という方法があるそうです。
現在の日本では、後者の「殺し掻き」が採用されています。
伐採した後には、根元から新しい目が出て、またこれを育てるというサイクルだそうです。

採取量
1本の木から採取できる漆の量は、約200mlほどだそうで、だからこそ、血の一滴と呼ばれ、
職人さん含め関連する方々はとても漆を大切に扱われます。

伐採された木
そんな伐採された木は、かつては漁具(浮き)などに使われていたそうですが、現在は薪として活用されたり、染物で使われたり、木工での活用を模索されているのですが、安定した用途はないそうです。

そこで、貴重な伐採木に新たな価値を見出したいという想いから、ATARAでも活用法を模索することにしました。

ATARAとしては、漆以外もそうなのですが、ATARAな資源が当たり前に活用される社会を目指していますので、用途としては
 ・持続可能であること
  とりあえず何か作ることはできるのですが、それが継続できないと意味がありません
 ・原料としての特性を把握し、後に規格化できること
  原料として扱うからには、何に向いているのか?を見極めることも大切で、そいう情報も取得しています。

これまでにないことをしているので、時間はかかりますが、地域資源というからにはしっかりと資源にすることを重要視しています。
継続して活用できる染色の原料として、またセルロース成分を活用だったり、素材の特性を生かした木製品だったり、少しづつですが形にしていきたいと思います。

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