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日本国内の木のこと

皆さん植樹って参加されたことありますか?
私が直近で参加したのは2年ほど前で、陸前高田市の高田松原での植樹でした。
防潮堤の向こう側で、松の背丈が防潮堤を超えるのに数十年かかるとの説明を聞き、生きてるうちに見たいなあと思っています。

  

さて、今回は少し日本国内の木に関するお話しを取り上げてみたいと思います。
現状を知るって常々大切だと思っています。

先日、森林について調べていた時に知ったのですが、日本の森林面積(国土の約7割)って、50年間ほぼ横ばいなんだそうです。そのうち約30%は国有林、約70%は民有林です。

一方で森林蓄積(森林を構成する樹木の幹の体積のこと)という言葉があり、これは、資源として考えられている量だそうです。
この森林蓄積は50年間で2.8倍に増えており、特に人工林(育成林)は約6倍になっています。

どういうことかというと、特に人工林では木が育っている。つまり日本の木は資源として活用するタイミングなんだそうです。

日本では、戦後の「拡大造林政策」によって、主に広葉樹からなっていた天然林を伐採した跡地や原野に、成長が比較的早く、経済的価値も高かった針葉樹の人工林におきかえていきました。現在、人工林は森林全体の41%という割合です。

昭和30年には木材自給率が94.5%もあったのですが、そこから、木材輸入の自由化、そして円高も重なり、外国産の木材が大量に日本に入ってくるようになりました。

その影響で、国産材の価格は下がり、林業経営が厳しくなっていきました。そして、木材を販売しても、間伐、伐採のコストを回収できないという状況になり、林業は衰退し、森は荒れていきました。

ただ、日本の木材自給率は林野庁のデータを見ると平成14年の18.8%を底に、令和元年には37.8%まで盛り返しています。

では、生態系サービスという観点で木を見てみると、CO2を吸収する樹木は、その樹種、樹齢によっても吸収量が違います。
広葉樹よりも針葉樹の方が吸収量は多く、また樹齢11年~20年の若い木が最も吸収量が多く、檜よりも杉の方が吸収量が多いそうです。

すでに人工林が41%もある状況では、現在のように荒れた人工林のまま放置しているよりは、適切なタイミングで資源として活用し、また新たに若い木を植林することも必要だと考えることができます。

木を切る=「環境に良くないこと」というイメージがあるかもしれませんが、決してそうではないという事ですよね。

ここまでのお話しは、森林林業学習館というサイトにかなり詳しく、わかりやすく掲載されています。
もし森林に関してご興味のある方はぜひご覧いただきたいページです。
https://www.shinrin-ringyou.com/ringyou/
*勝手に紹介してすみません^^”

最後に、最近のニュースで住宅業界のウッドショックという記事を見るようになりました。
住宅で使用する輸入木材の需給がひっ迫し、価格が高騰しているようです。

要因としては、アメリカでの住宅着工戸数の急増、中国でコロナが落着いたことによる需要拡大等による旺盛な需要に対し、供給側の製材工場の労働者不足での稼働率低下、港湾の労働者不足での海上輸送が滞っていることと、スエズ運河の座礁事故が追い打ちをかけたようです。コロナ禍での影響が大きいということですね。

そのような状況下で、日本に輸入する木材は価格を上げないと確保もできないという状況のようです。

では、国産材を使えばいいではないかと単純に思ってしまうのですが、前述の通り、衰退していた林業はまず従事者が減少している。そして適切に管理されていない森林も多い、といった状況で急には対応できないのは理解できますよね。

現時点で需要があるとわかってはいても、設備投資をしたり人員を増やしたりして対応した時に、今後再び輸入材に逆戻りすることも考えられます。そうすると国産材が値下がりして、経営が成り立たなくなってしまいます。

しかし、CO2吸収という観点からも、人工林の管理は重要になるため、再び国策として、国産の木材活用をもっと進めて欲しいなと思います。すでに面積の41%は人工林ですし。

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